とてつもなく恐いオッサン
この、とてつもなく恐いオッサンに初めて出会ったのは、春まだ浅い3月のことだった。仕事の都合で、とある建築工事現場に、車にて乗り入れた時のことである。その日は雨が激しく降っており、地面がぬかるんでいた為、私は、慎重にハンドルを捌き、ゆるゆると車を進めていた。と、そのときである。「おまえはあほか!!」突き刺すようなことばが私の両耳の鼓膜を激しく揺すぶった。そして私の視線は、しばらく、空中をウロウロとさ迷っていたのだが、右前方に「おまえはあほか!!」とふたたび、みたび叫ぶオッサンを捉え、クギ付けになっていた。私も、36年間生きて来たが、見ず知らずのオッサンに、ここまで激しく罵られた経験は皆無であったため、『よほど良からぬ事をしてしまったに違いない、人でも轢いたか、工事用具を傷つけでもしてしまったか』と、そのオッサンを注視した。すると、「タイヤが汚れとるやろが、ナメとんか、おまえは!」オッサンがまた絶叫してきた。『はあ?』私は、意味が分からず、もう一度そのオッサンの顔を覗き込んだ。「おまえは、ナメとんか。もう、帰れ!二度と来んな!」私は、遊びに来たのではないから帰るわけには行かない。
「何がいけなかったのでしょうか?」
「お前はホンマのあほか?タイヤが水たまりにはまって、汚れとるやろが!道を汚すやろが」
ここまで言われて、私も、オッサンの言いたいことは大体、理解できた。要するに、工事現場を出るときに道路をドロドロにしないよう、タイヤをできるだけ汚さずに、水たまりも避けて通れ、という事だったのだ。オッサンの言葉は、確かに正しい。間違っていたのは明らかに私のほうだ。しかしである。 【引っ越せおばさん】こと、某被告に負けないような大声は必要ないんじゃないかと、後日、何度となく叱られるたびに、思わざるをえないのである。
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ハリマスターさん、さぞや、驚かれたでしょうね。
でも、工事現場がぬかるんでいて、そこに車が出入りするときに、道路を泥で汚したら、それは、工事関係者が掃除することになっている場合があるんじゃないでしょうか。
そんな現場だとしたら、現場の監督のような立場の人だと、その世界のノリで、大きな声も出てしまうのではないかと思います。
ご存知のことでしたら、失礼しました。
投稿: ぷろぽりす | 2006年8月 2日 (水) 21時52分
ぷろぽりすさん、こんにちは。
このオッサンのことを、私は嫌いではないのですよね。
怒るときには常に利にかなった事しか言わ
ないうえ、私だけでなく、施主以外のすべて
の人間に対して、同じように怒鳴りつけていましたから・・・。
ただ、私がこのオッサンのことを興味深く
思ったのは、怒鳴る頻度の極端な多さや
雷鳴のような声の大きさ。
そんなことから、一見、野獣のような人物に
見えながら、意外に理知的で、他人に嫌われ
ても構わないというスタンスが感じ取れ、
見てて気持ちが良いとさえ思えました。
私以外の人が怒られてる場面は、可哀想で
見ていられませんでしたけど、自分が怒られ
てるときは、案外、平気でした。
この建築工事現場は、すでに完成済みで
もう逢うこともないですし。
ではでは。
投稿: ハリマスター | 2006年8月 3日 (木) 00時48分
こんばんは、ハリマスターさん。
ハリマスターさんの文章から、感じるのは、
オッサンとハリマスターさんとの間に
愛情のようなものです。
また、オッサンは、みんなに対して、
愛情たっぷりに怒鳴っているのですね。
最近、少なくなった、オッサンではないでしょうか。
投稿: ぷろぽりす | 2006年8月11日 (金) 22時50分
ぷろぽりすさん、こんばんは。
詳しく書くとこのオッサンのことが特定されてしまう恐れがあるため書けないですが、ぷろぽりすさんが仰ることは、的を射ているかも知れないですね。
他人から嫌われることを恐れて、言いたい事を言わない、どころか言うべきことさえ言わない人間が数多くいる昨今、仕事につねに緊張感を持って取り組み、仲間にも同様に緊張感を持たせることの出来るこのオッサンは、尊敬に値すると私は思っていましたが、愛情と言われたら確かにそれもあったかも知れないですね。
投稿: ハリマスター | 2006年8月12日 (土) 00時13分